OEMのメリットとは?単品リピート通販用の商品開発する時について

単品リピート通販における「OEM」とは

通販と言えば、一般的には商品総数が膨大で、あらゆる分野の商品を扱っている大手の通販サイトをイメージすることが多いと思いますが、それだけではなく一品またはわずかな種類の商品だけを販売している通販サイトもあります。前者の形態を総合通販、後者を単品通販や単品リピート通販などと呼びます。

ところでその単品通販ではどういった商品を扱っているのでしょう。例えば厳選した原料や独自の製法などにこだわった化粧品や健康食品などが挙げられます。購入者がその良さを知れば、口コミなどで広まり、徐々にリピーターが付くなどして販売数を伸ばすことが出来ます。そうなれば単品のみの販売でも充分利益を出すことが出来るようになるので成り立つのです。

こだわりを示すために自社の工場で作っていることを売りにしてホームページ上でアピールしていることがあります。しかし、それだけではなくOEMを行っている企業を利用する所もあります。OEMとはOriginal Equipment Manufacturer(またはManufacturing)の略で他社の製品を製造することです。つまり商品の製造をOEMメーカーと呼ばれる外部の製造会社に委託し、その完成品を受取り自社ブランドの商品として販売しているのです。先ほど挙げた化粧品や健康食品もOEMを利用し商品としている所もあります。しかしこれにはメリットもありデメリットもあります。

最速で商品開発できるOEMのメリットについて

通常、通販サイトなどに商品が並び販売に至るまでには、まずは自社内での企画に始まります。そして企画が通り設計やプロトタイプなどを作り開発まで完了すれば、工場などで製品の生産が行われ、それに伴って物流や販売が始まります。こういった工程の中で、外部の製造メーカーに委託するOEMの部分は生産に該当します。なぜその部分を外部に委託するのでしょうか。それにはいくつかのメリットがあるからです。

例えば、商品について何らかのいいアイデアを持っている人がいたとします。しかしそれを生産して売りたいと思っても個人で工場を持っている人は殆どいないでしょう。単にいいアイデアを持っているからと言っても、いきなり工場を建設するのはリスクだらけですし、億以上の莫大な資金を持っていない限り、建設することは出来ないでしょう。なので、まずはそういったことは考えないはずです。商品の企画、開発などは自分で行い、製造はその設備やノウハウを持っている所に委託するのが賢いやり方です。これは工場を持たない単品通販などでも同じことです。

ところで工場を持つと従業員が要りますし、人数が少なければ全員総出で生産に携わらなければならないこともあるでしょう。その生産の工程を省くことが出来ればその時間を次期商品の企画や開発に注ぎ込むことが出来ますし、労働時間の短縮、いわゆる時短にも繋がります。

OEMメーカーを利用すると工場の建設や機械の購入、それに運用・維持にかかる費用、そして工場内での作業者や技術者の確保、従業員の人件費、原料の調達費などが一切必要ありません。また、そういったメーカーはこれまでに培ってきた技術力やノウハウを持っており、そして高い品質の製品を作ることも出来るので、安心して製造を任せることが出来ます。

それだけではなく、OEMメーカーで製造されているものは人気商品であることが多く、既に完成品となっているものを利用すれば商品開発費もかからず、短期間で販売へこぎつけることも出来ます。類似したものを自社ブランドの商品として出せば、消費者に受け入れられないことは考えにくいため、そういった面でも安心感があります。次第に人気が出ればブランド名が広く知られるようにもなり、販売数も伸びるでしょう。

また自社で工場を持っていてもOEMも活用した方が良い場合もあります。例えば、海外の安い労働力を持つOEMメーカーに委託すればコストが削減出来ます。それに商品の人気が出ると、フル稼働しても生産が追いつかなくなる場合もあります。その時でも追いつかない分の生産をOEMメーカーに委託すれば好機を逃すことがありません。また季節などの影響で販売数が変化する時もあるので、その時には委託を中断するなど生産調整するのにも役立ちますし、在庫を抱えるリスクも減ります。

後、他社から類似商品が多数出てくるなどして販売数が落ちてくれば、次期商品を考えなければならない時期が来る時もあります。そういった時にも工場での生産を行わなくてもいいので、設備を変える必要もありません。

OEMを利用した商品開発はこのようないくつかのメリットをもたらします。

OEMでのデメリット、ODM、PBの違い、注意点について

これまでOEMを利用することのメリットを書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。例えば、外部に生産を委託するため、その工程でのコスト削減が自社ではコントロール出来ないといった面があります。

その他にもOEMでの委託を長いスパンで見てみると、製品を製造する上での技術やノウハウが全く蓄積されないため、それに着手する機会もなくOEMメーカーへの依存度が高いままになります。製造工程では、現場で生み出される独自の製法などで特許を取得することが出来、他社がそれを製造に取り入れれば特許使用料が得られます。しかしそういった利益が得られる知的財産を生み出せない面もデメリットの一つです。しかし最初から工場を持たないと決めている所ではデメリットにはならないでしょう。

また企画や設計をして何度も委託しているうちに、OEMメーカーがそのノウハウを習得し、それを基に独自ブランドで商品開発や販売をすることもあるため、競合他社になってしまうこともあります。OEMメーカーの技術が不足している場合は、委託側が技術支援を行うこともあり、これも先と同じ結果を生むことになります。

OEMメーカーは自社製品に加え、いくつかの他社製品も受託し生産している場合もあります。製造ラインの空いている時間を利用して委託された分の生産しているため、その余力が無ければ、納品されるまでに時間がかかることもありますし、委託側、受託側双方の担当者のやり取りでミスが発生すれば、製造時の仕様通りに製品が出来上がらない可能性もあります。市場動向を見て今が好機と生産を委託しても、予定通りに受け取れなければその機会を逃してしまいます。

OEMを手掛けるメーカーは数多くあり、技術力があっても得意とする分野、不得意とする分野などがあると思います。どこに依頼しても同じものが出来上がってくるわけではないので、コスト面やデメリットが少なくなりそうな所など、様々な面を比較して自社にとって有利な条件になる所や品質の高いものを作ってくれる所を注意深く選ぶことも大切になってきます。時には別のメーカーに乗り換えることも必要かもしれません。

後、OEMを利用すると他社と同成分の商品が誕生することもあります。つまり商品名やパッケージが異なるだけで中身は同じといった状態です。同じOEMメーカーの同じ製造ラインで作られるものはそのようになります。中には委託先のニーズやオーダーに様々な形で応えられる製造ラインを持つメーカーもありますが、そういったフレキシブルな設備が整っておらず、短いスパンでラインを細かく変更できないメーカーもあるでしょう。

ところで、OEMと似た言葉でODMといった言葉があります。ODMは、Original Design Manufacturer(またはManufacturing)の略で、他社の製品を設計・製造することです。OEMでは生産の工程のみを受託しますが、ODMでは生産工程の前の設計も含めて受託します。中にはそれよりも前の企画の工程から引き受けている所もあります。

このODMメーカーに委託する場合もOEMと同様、メリットやデメリットがあります。企画や設計の段階から行ってくれるので、そういった工程のノウハウは全く必要なくなります。それに伴い企画者や設計者、デザイナーなどの人材は不要となり人件費がかからず、大幅にコストが削減出来ます。ODMメーカーから商品を受け取り、その販売だけに注力出来ます。

OEMの仕組みを使ったものでPBという言葉もあります。PBはPrivate Brandの略で、流通業界での言葉です。例えば近年大手スーパーやコンビニなどでは、品目が異なるのにどれも同じパッケージデザインになっているプライベート・ブランドと呼ばれる商品がありますが、PBはそれのことです。様々な商品があります。それぞれの店でブランド名が付けられ今では多くの消費者に幅広く知られるようになりました。

小売店などで扱う商品なのでストア・ブランドと呼ぶこともあります。大手スーパーが商品企画をしてOEMの製造メーカーに製造を委託し、完成品を店舗で販売します。すでに販売されている他社商品と中身は同じでパッケージを変えるだけでPB商品としていることもあります。PB商品の販売価格の方が若干安くなる場合があります。

「OEM」のまとめ

最後に、OEMとは他社の製品を製造することで、商品が世に出るまでの企画から販売に至るまでの工程の内、生産の工程を指します。これまで書いてきたようにOEMにはメリット、デメリットが色々あります。ODMはOEMと同様、他社製品の製造も行いますが、その一つ前の工程である設計、もしくはその前の企画までも行います。PBは、大手スーパーやコンビニなどがOEMメーカーなどに委託して製造してもらった自社ブランドの商品のことを指します。OEMとODM、PBにはこういった違いがあります。

自社で工場を持たない単品通販でも、OEMメーカーを利用することはメリットがあります。例えば、生産工程を全て任せられることやパッケージなどを変えるだけで自社ブランドの新しい商品として売り出すことが可能です。そのため、市場への投入が短期間で行えます。

しかし、様々なデメリットもありますし、OEMを手掛けるメーカーは数多くあります。どこに委託するかでかかるコストが変わってくる場合もあります。そのため注意深く選ぶことが大切です。

OEMメーカーは他社から製造を請け負うため、下請け業者のようにも思えたりしますが、実体はそうではなく、例えば大手化粧品メーカーなどを見ると、実はそこでもOEM事業を展開しています。自社の優れた技術や研究所、生産設備、安全性などを活かし他社からの委託に対応しています。さらにODMにも踏み込み企画案などを作り委託側へ様々な提案をしてくれるところもあります。